命の尊厳の映画 of TeamJapan300

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被災地のみなさんが元気な生活を取り戻すために
チームジャパン300は、継続的な生活支援を通して
メンタルケアをサポートしていきます。

こころに効く命の尊厳の映画

心理カウンセラー 下山寿美子(毎週 自治体のカウンセラーとして出向)


こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラー下山 寿美子です。

2012年の1月から岩手県釜石市に通い出し、
2度目の冬を迎えました。
1年が過ぎてもほとんど変わらない景色、
流された地域には、未だ何もない状態です。
集められた瓦礫の高い山だけがそのまま、
白い雪の中、黒々と残っています。

半壊だった家を修繕して仮設から帰った人は、
広い家にポツンとひとり暮らしています。
周りの家は無くなったまま。
震災前の住み慣れたところのはず、
でも、周りの家は流されたままで、
見慣れた人たちは誰もいない。
知らない土地に来たかのような感覚です。

いくら自宅に帰れたとしても、
淋しくなってしまった地域では、
安らぎが得られるわけではないことを知りました。

大きな震災で受けたこころの傷は、
まだまだ深く、大きな悲しみを抱えています。

先日も津波がきた時の話をお聞きしました。
大切な家族を探したけれど見つからなかった。
絶対に生きていると信じて避難所を回ったけれど、
歩いても歩いても、その姿は見つからない。
やっと会えたのは、遺体安置所、
もう二度と、目を合わせることはできない・・・

幸せだった家族が、
大きな黒い波に飲み込まれて、
一瞬の間に引き裂かれてしまった。
当たり前のように毎日過ごしていた家族との時間は、
決して戻ることがありません。

あの時間を思い出すことは辛い、
そして、言葉にすることはもっと辛い。

そんな悲しみを閉じ込めたまま、
前に進もうとしている姿が、
こころに重く突き刺さりました。

生きるとは?
人生とは?
家族とは?
幸せとは・・・?

多くの投げかけを頂いた1年でした。

今はこうして生きていること、
自分を支えてくれている家族や仲間、
そして、釜石で出会い、一緒に仮設を回り、
市民の皆さんの為にがんばってくださっている職員の方々、
なにより、そんな悲しみの中でも、
あたたかい言葉をかけてくださる釜石市民の皆さまに、
感謝をお伝えしたいと思います。

まもなく、釜石のあの日を描いた映画が上映されます。

2011年3月11日。

あの未曾有の災害に直面し、
困難な状況と向き合った人々がいた。
彼らには、悲しむ時間さえなかった。
これは報道が伝えきれなかった生命の証。

「遺体~明日への十日間~」
2013年2月23日全国公開
公式HPはこちら(別ウィンドウで開きます。) http://reunion-movie.jp/index.html

誰かのこころを守ろうとする活動は、
一人だけでは出来ません。
あれからまもなく2年。
多くの方の手を、こころを、
被災地は必要としています。