2012年。今の被災地の様子です。
現地にいる心理カウンセラーから、今の被災地での現状の様子を紹介します。
心理カウンセラー 下山寿美子(毎週 自治体のカウンセラーとして出向)
「今、被災地は雪に覆われ、どうしても仮設住宅にいる人たちは閉じこもりきりになってしまいます。 脚が悪かったり、外に出るのがつらいというお年寄りの方がとても多く、一軒一軒訪問していくととても喜んでお茶をだして下さったり、もっとゆっくりしていってと言われることもしばしばです。特に夕方以降は1人でいるのが淋しい方や話し相手がいない方も多く、なんとかそういう人たちをサポートできないかと、いつも時間が足りない思いで回っています。被災地はとても寒く、仮設住宅によっては底冷えがするところや、隣の壁が薄くプライバシーがなく、板一枚のところでとても大変だという方もいます。
先日は仮設住宅のあるところで、船の網を使った展示物や掲示物をするというNPO団体の活動に一緒に行って、リスニングをしてきました。船の網を使うというイベントは、漁師さんである男の人たちが仮設住宅からたくさん出てきて手伝ってくれました。これはとても素晴らしい試みだと思います。女性は比較的お話好きで、一度仲良くなってしまうと何度も内面的なお話をして下さいますが、男性は外に出ることも少なく、友達もおらず、人によってはお酒をたくさん飲み過ぎたり、それが健康を害するということで問題になっていることも多かったからです。
これからもこのように、男性も一緒に参加できるようなたくさんの企画に、心の専門家として現場でもご一緒させていただき、仮設住宅を一軒一軒丁寧に訪問していきながら、時間の許す限り被災地をサポートしていきたいと思っています。
また被災地では、このようにしてこころのケアの活動をしてくれるカウンセラーが不足しています。TeamJapan300が長年続けてきた、石巻での子どもたちの遊び相手や、南相馬でのお茶を飲んでお話を聞く会などもボランティアの数が減っています。今こそ、もう一度、こういう冬だからこそ私たちカウンセラーが、話を聞く人とのかかわりあいやふれあいを大切にする。そういう意識をもったボランティアが、また現地に足を運んでいくことを心より願っています。私も娘がいて家族がいますが、毎週岩手県と東京を往復しています。50代になっていますが、それでも被災地の人たちの笑顔を感じるたびに、またがんばって来週も来ようという気持ちになっていきます。
ぜひみなさんも私とともに、TeamJapan300のボランティア活動に参加をして下さい。リスニングボランティアをして下さる方を心よりお待ちしております。