4月24日 子供のメンタルケア of TeamJapan300

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被災地のみなさんが元気な生活を取り戻すために
チームジャパン300は、継続的な生活支援を通して
メンタルケアをサポートしていきます。

子供のメンタルケア

4月22日 東松島近辺

今回の支援訪問で、避難所にて子供達の遊び相手を務めた男性ボランティアスタッフのレポートです。


東松島の避難所にて子供の遊び相手を務める。弱者にしわ寄せが行くのが世の中の常であり、子供もその一部である。
持ってきた画用紙とクレヨンを並べ、子供達に声を掛けると、何人かの子供がすぐに寄ってきて、絵を描いて遊び始めた。久しぶりだと喜んでいる。
中に1人、こわばった表情で口をきかず、黒と青のクレヨンを握りしめて動かない女の子がいた。スタッフの女性が優しく声を掛ける。やがて絵を描き始めた。人の顔だ。1枚描くとすぐに次の絵を描いた。また人の顔だ。すぐに次の紙。人の顔。堰を切ったように、その子は画用紙に青い顔を10枚ほど描き続けた。

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スタッフの女性が聞く。
「これはだ〜れ?」
「パパ」

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この子の父親に何があった
のかはわからない。復興や
片付けに忙しくてこの場所
を離れていて寂しがってい
るだけかもしれない。

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だが、何枚も並んだ顔の絵はとても痛々しい。大きな心理的な負担があることは明らかであろう。

別の男の子。元気な子。絵を描こう!いうとすぐに走ってきて絵を描いて、「ねえねえ、パソコンやろうよ」といってゲームをやり、「自転車乗る!」と言って外に走り出て、写真を撮ってあげると大喜びで自転車で走り回る。で、しばらく経つと「いいもの見たい?」といって「うん」と答えると「こっち」と言って、ついていくと「ほら!」と津波の瓦礫を指さす。
「もっとあるよ」といってまた走って次の瓦礫を指さす。
b0223842_13253041.jpgに来て。一緒に来て。」といって避難所から離れて、
「ほら、これ冷蔵庫」 
「ここにテレビもあるよ」
と言ってどんどん避難所から離れて瓦礫をつぎつぎ指さしていく。
それから彼が言った言葉。
「ぼくんちもこうなったんだよ。」
この言葉を無邪気な子供の一言として片付けてしまってよいのか。
起きてしまったことと、そしてそこから生じた感情はもう変えることはできないが、繊細な子供達が感じていることを、その繊細さを理解してちゃんと受け止めることの大事さをひしひしと感じる。

どこの被災地・避難所でも、幼い子供の笑顔が大人や被災者みんなを癒してくれる。笑顔すら忘れがちな大人に比べて、子供達は一見何事もなかったかのように元気に遊んでいる。その無邪気な姿に僕ら大人どもは、子供は子供だから事の重大性・深刻性なんて理解せずに元気で大丈夫、と考えがちだ。

だが、社会人になって仕事や人間関係に行き詰まって自分を振り返ってみた時、幼少期の些細な出来事が自分の性格の根幹を決定する大きな影響力を持っていたのだ、ということに誰でも気づかされるものだ。
子供は深刻なことは理解していまい、大人のようなストレスは感じていまい、なんてとんでもない。自分自身が幼少の頃、世の中を、周りの人々を、どのように感じていたのか、忘れてしまうだけだ。
子供たちと一緒にふれあい、彼らの目線まで腰を落として一緒に時間を過ごしてみれば、どれほど子供達が繊細に、敏感に、周囲を感じているかをいやでも感じるだろう。