4月2日 被災地に必要なもの of TeamJapan300

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被災地のみなさんが元気な生活を取り戻すために
チームジャパン300は、継続的な生活支援を通して
メンタルケアをサポートしていきます。

被災地に今、本当に必要なもの

4月1日〜2日 宮城・岩手へ現状把握に向かう

0401-1.jpg4月1日〜2日にかけて、宮城〜岩手の被災現地へみなさんを代表して現状把握に行かせていただきました。目的は、被災者の方々の「心のサポート」ができるよう、何が必要なのか、どんな支援を行っていけばいいのか、現地を見て感じとることです。
被災現地に向かうには、明確なルールがあります。物資不足の関東のみなさまから寄せられた善意の支援物資と、大切に大切にしていたやっとの往復のガソリンを積み、現地ではガソリンはもちろんおにぎり一つ購入しない。「現地に支援物資は持ち込むが、現地のものは何一つ使わない」。これは、阪神大震災のリスニングボランティアをしていた時からずっと私たちにあるルールです。 だから自分たちの食べ物、寒さから身を守るもの、まずは自分で自分を守り生かせること。それがカウンセラーとしてまず被災地に行くルールです。 次に、カウンセラーであってももちろん、支援物資を運び、配り、時には一緒に働く。炊き出しを一緒にさせていただくと本当の生の声が聞こえてきます。その中から、何か私たちがもっと役立てることが見えてくるはずです。

0401-4.jpg東北道はすいていました。通常、平日の昼間には、どのくらいの車が走っているのかがわからないので、今、だからなのかはわかりません。 トラック、タンクローリー、緊急車両が数多く走っていました。
ドライブインで隣に止まっていた車、山のように荷物を積んで、きっとどこかに届けに行こうとしている。
何かをしたくて、少しでも何かが出来るように。高速降りる前の最後のドライブインで、自衛官の方々を見かけました。
赤十字の腕章、ヘルメットには「がんばっぺ東北」。車に向かう背中に、一礼。
第一線で頑張る人には、「ありがとうございます」の一言しかありません。

森の都、仙台は、とても美しくて素晴らしい地方都市だと思っています。ところが、私達が行ったときに、仙台市民の皆さんや宮城の県民の皆さんを苦しめているのが、まだガスが復旧していないという事実でした。電気も節電をされ、暗くなった市外で治安の問題などもふき出しています。
ガスがないということは、お風呂に入れないということ。しかも、宮城県は、空港も浸水し新幹線も通っていないという、まさに陸の孤島となっている状態で、慢性的なガソリン不足が懸念されています。つまり、毎日不便な生活を強いられながらも、それを車に乗ってあちこちに出掛けて行って解消するということすら、まだままならない。そういった不便さに、市民の皆さんがなんとか仕事を元の状態に取り戻そうとしているけれども、非常にストレスも強く感じていることを改めて感じました。
また、余震が多いので余震が怖いと言う方や、どうしても余震が起こるとパニックになってしまう、という方も何人かみられ、その点でもまた長期的なフォローやサポートが必要であるように感じました。地震の揺れや、PTSDに関しては、定期的にグループカウンセリングなどを続けていきながら、しっかりとサポートしていく環境作りが必要であるように思いました。仙台市内では、レディースクリニックの院長先生と会話。院長先生は、被災地・避難所の皆さん方の女性的な医療について、とても心を配っておられます。そういったドクターからの『いつでも連絡をしてきてください』という、ホームページのURLなどが載ったちらしを受け取り、私達は一路避難所をまわって行くことになります。

0402-6.jpg翌日は岩手へ。岩手の北部にある某避難所から、『来てみてはどうか? 』というご紹介があったからです。
岩手県に入るとガソリン事情は宮城よりも多少良くなり、どこのガソリンスタンドでも給油OKの札があがっています。市内から山をいくつか越えて海の方に出て行くんですが、その山の合間には、まだ雪が残りいかに寒いところで現地の皆さんが毎日を過ごしているかを、本当に辛いぐらい実感が湧いてきます。そして、山をひとつ超え、もうひとつ越え、山を抜け、ふと窓の外を見て、信じられませんでした。海の影も見えないところなのに・・・。そして、某避難所に到着しました。
そこの避難所は、700人以上の人達が避難をしています。ちょうど私達が着いたお昼時は、炊き出しが行われていました。あるおばあさんが、『家はなくなってしまったけれど、こんなにあたたかくておいしい物が食べられるなんて』と言っておられたのが、とても印象的です。私達が東京にいれば、ほんの当たり前のことだと感じることが、避難所の人たちにとっては、とても大きな一日の幸せになる。私の母親と同年代の人達が多い避難所を見ながらも、心が締め付けられる思いがしました。
そして、避難所のスタッフの方にご挨拶をし、私達ができることの可能性についてお話をしました。避難所ではまだ、たくさん申し出のあるさまざまな民間のボランティアをうまく整理をしたり、コーディネイトをすることはできず、なかなか手が回らないのだと申し訳なさそうにおっしゃっておられました。
そこで私が感じたのは、現地の人が申し訳なく思うことはなくて、『今本当に必要な物は何ですか?』とお聞きしてみました。『本当に必要な支援物資は何ですか?』とお聞きした時に返ってきた答えが、『スリッパが欲しい』ということでした。体育館の床は、まだ冷たく、たくさんの人が靴下だけで歩いているという状態があります。でも、全員分のスリッパがあれば、きっとその足を痛めることもなく、冷えからも自分の身体を守ることが少しでもできるということは、とても納得がいきました。
救援物資の中にスリッパというのは、行ってみなければわからないし、なかなか思いつかないことです。でも、着の身着のままで避難をした人達がそういった物を持っていることは本当になく、近所に買いに行こうにも車がない中で、買い物ができないという事実が、たくさんの人を苦しめています。
それ以外にも、大きなサイズの女性用の下着だとか、女性用品などは、非常に必要なんだというお話もたくさんありました。やはり行ってみなければわからない。支援物資一つとっても、一つ一つの地域や避難所で必要な物が違い、そして、それらがきちんと平等に行き渡っていくように、今日も多くの現場の職員の方やボランティアスタッフの人達が、不眠不休で頑張っておられます。まずこういった方々のお休みも含めた、心身のケアを本当にしっかりとサポートさせていただきたいと切に願いました。

本当に求められているもの−1 スリッパ
広い高校の体育館が避難所になっていました(岩手県)。ふと、足元を見ると、冷たい床をスリッパをはかずに歩いている方がとても多い。「今、欲しいのはスリッパです」と、スタッフの方。確かに。着のみ着のままで避難した方々が、スリッパを持つはずもなく。かと言って、救援物資でなかなかスリッパって思いつきません。やっぱり、行ってみて、直接伺ってみないとわからないことは、本当にたくさんあります。私たちがどれだけお役に立ちたいと思っても、やはり現地を知らないと、思いよがりの支援になってしまいます。そこで、緊急、スリッパ募集!!おひとり何足でも、どんなタイプのものでも構いませんが、新品に限り、袋に入れて下さい。目標は700足です。できれば、来週訪問するときに直接お届けしたいので、周りの方々にも声をかけて下さい。スリッパは東京渋谷の災害対策本部(アイディアヒューマンサポートサービス内)に直接、送っていただいても、持ち込みでも構いません。送っていただくときは、箱に、「支援物資〜スリッパ」と明記して下さい。

本当に求められているもの−2 サランラップ
現地はまだ水を使えないことが多く、お皿にサランラップをひいて食べ物を置くんです。サランラップは必要ですよね。これもやはり、現地を知らなければわからないことです。サランラップも緊急募集、目標30本です。

本当に求められているもの−3 女性用下着
下着の支援物資はあるようですが、LやLLサイズがない。年配の方々も多いので、年配の方々が着れるような肌着が必要です。あと、サニタリーショーツや生理用品、なかなか欲しいと言いにくいものなだけに、心を配りながら、女性カウンセラーがお届けする必要があります。
* ・女性用下着、肌着ほか、
* ・L、LLサイズ
* ・ショーツ、肌着
* ・サニタリーショーツ
* ・生理用品
* ・尿とりパット
* ・大人用オムツ
なるべくたくさんお届けしたいと思います。私の母親ほどの年代の方々が、たくさんおられました。私も、母に贈るつもりで、肌着を買いに行こうと思っています。

そして何よりも必要なもの−4 荷物を運ぶ車、ドライバー募集!!
今回はワンボックスカーで、レンタカーにて運びましたが、一般社団法人全国心理業連合会の本田代表理事がお1人で、20時間ぶっ通しで運転して下さいました。今後、継続していくこととして、
1.大き目の荷物が積める車をお持ちで、貸して下さる方
2.また、車とともに現地まで交替で運転して下さる方。運転だけ、車貸します、だけでも結構です。
3.ガソリン。現地はまだまだガソリン不足。私たちもガソリン携行缶に東京から、往復のガソリンをつめて行きました。
家の近くでガソリンが購入できる方、買い占めない程度にささやかにおすそわけいただけると助かります。

私も、阪神大震災の時は、片道3時間歩いて被災地に入りました。でも、今回は、そんなことは全く無謀なくらいの広範囲の災害です。車、燃料を自分たちで何とかして、そして本当に求められる物資を持ち、被災地の方々に寄り添い続けながら、かかわり続ける。私たちがめざす「心のケア」は、単なる頭で考えることではなく、本気で行動するだけの気持ちがあって成り立つことだと実感しています。「本気で被災地の人たちのためになることを、考え続けられるか」
このウェブサイトにアクセスされた、すべての意識高い皆様の心を信じて、あえて投げかけさせていただきます。