4月9日 「支援者」になること of TeamJapan300

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被災地のみなさんが元気な生活を取り戻すために
チームジャパン300は、継続的な生活支援を通して
メンタルケアをサポートしていきます。

「支援者」になること

海外からみた日本、そして被災地からみた私たち

今、海外から日本に来るのはかなり大変なことだと聞きました。私の知人が、フランスから日本に入ろうとすると保険に入れなかったとか?今、保険に入れない国なんて、リビアなどの内戦国か日本か?悔しくて悲しくて、辛い話です。
私たち日本人もニューヨーク同時多発テロの時は「ニューヨークはあぶない」とみなが言いはじめ、企業には「渡航自粛」まで通達が出ましたから、それと同じことが起こっているということを感じました。あの時は、私はニューヨークに行きましたが、やはり周りの家族や知人は心配したものです。
立場が変われば見え方がまるで違う。やはり私たちは感覚やイメージでしか物事を判断できないのだと悲しくなります。でも被害者に見える日本の私たちも風評被害を生む原因をつくるなど加害者になることもあるわけです。
きちんと海外のメディアに、情報提供ができていない今の日本もダメなんですが、最近、海外から日本への本当の支援って何かな?と疑問に感じます。

被災地に行ってみて感じたことがあります。それは現地にとっての、関東、関西の私たちの本当の支援とは何だろう?ということです。
海外からお祭りみたいなメッセージや、イベントの映像が届きます。義援金を集めています。でも、被災地に行ってみて、私はイベントみたいなものだけではダメだと思いました。本当に支援したいと言うなら、やはり現地に行き、そこで、津波に流された家のがれきを一緒に片づけたり、現地の知り合いの人を訪ねて、その人を支援することで地元に貢献する。そこに住んでいた人たちに敬意を示すこと。これからもずっとそこで生きていく人がいることをちゃんと理解して、地元に軸をおき、長期的に地に足のついた支援。それが本当の支援だと強く感じたのです。
現地の人たちが必要としているのは派手なイベントじゃない。本当に必要なのは、地域の中に一緒に入りながら長い目で支えていく、いや支えるなんておこがましい、一緒に何かをさせていただく、、、そんなことのような気がしてなりません。

海外の人にしてみれば日本は危ない!と見えているかもしれません。だからこそ、私たちが力強く生きていることを発信していきましょう。
私たちは逃げない。あきらめない!
そして、ふてくされたり、ふさぎこんだりしない。
秩序正しく、仕事をし家族を思いやる。
誇りをもち、生きているし、これからだって生きていく。
どんなに苦しくたって、日本は乗り切れる。
被災地は立ち直れる。
私は今、本当にそう信じたいし、信じています。

地震の経験のない外国人の知人は、パニックになりました。余震が来るたび、パニックになり、放射能がやってくるとパニックになりました。人間はコミュニティの中で生きているので、母国の親や親戚、友達からガンガン電話が入り、心が壊れていくのがわかりました。
すでに「安全かどうか」は、なんの意味もなく、身近な家族が危険だとわめき続ければ誰でもおかしくなります。私のニューヨークの知人も同じでした。彼らは決して悪くない、もともとは日本が大好きな人たちなのです。
私はパニックを起こす人たちは一度、その場を離れ、冷静な頭になって自分の人生を考えた方がいい、とアドバイスしました。逃げるのではなく、一時的に、パニックから自分を遮断するために、です。しばらく東京を離れていた彼は、今は東京でまたもとの生活に戻りました。来週一緒に被災地に行き、ボランティアをしよう、と約束しています。

被災地の津波の跡の残酷さを実感し、そこで何か些細なことでも、自分が役立つことを見つけたとき、彼は本当の意味で、「被害者」から「支援者」になれるのだと思います。
世界中で、今、
「被害者」として生きるか
「支援者」として生きるかが、問われているんだと思います。
「被害者」であり続ける人は、いつまでもパニックになり、不安定になり、日本の悪い未来のイメージから逃げれない恐怖に自分が一番不幸だと感じています。
「支援者」になると決めた人だけが次の未来をつくっていけるのだと信じています。